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岐阜県立各務原高等学校 地学部の生徒さんたちから感想をいただきました。
各務原高校地学部 2年(部長) 田口 創万
今回の発表会を通して、多くの事を学び、自分たちの考えの綻びを見つける事ができました。地学は、化学や数学のように答えが明確にあるわけではないため、どうしても個人の考えが大きく持論に反映され、客観的な観点から見る事が困難となってしまいます。そのため今回のような、多くの人の意見を聞く事のできる場が持てることは、この上ない機会だったと思っています。特に先生方の意見にあった、時間ではなく地域を広げる事により多くのデータを得るという考えは、僕らにはなかった考えでした。これにより観測技術によるデータの信頼性の問題を解決する事ができる上、地域での特異性などといった、今までにない観点で研究を発展させる事ができました。また、実際に僕らの得たデータにどの程度の信憑性があるかを調べるために乱数を用いるという意見から、漠然としていたデータをより明確に再確認する事ができ、今後の大きな力となりました。
しかしこれらの意見と同時に、自分たちのデータの危うさを知りました。特にデータの根本的な不足は否めない点でした。また北海道と東北との区別における問題は、まったく僕らになかった考えで大きなショックを受けました。
今後はこれらの問題点を解決するとともに、さらに新たな観点を見出し、より明確なデータを得るため、今回ような客観的な意見を盛んに取り入れていきたいです。
最後に、今回の発表に助力していただいた方々にお礼を申しあげ、終わりの言葉とさせていただきます。
2年 尾関 幹也
このたびはお忙しい中、私達のためにわざわざ時間を空けて頂き誠にありがとうございました。今回の交流を通して私達の研究の今後を決めることができました。また、その他にも多くの貴重な意見を頂くことができました。先生方に戴いた意見の、地質と火山の関連性を世界でも見てみるということと、乱数を用いて火山活動のピークに入る頻度を調べる、ということを実際に行い、その結果と考察も論文に含め、以前より深く探究することができました。また、交流の後に名古屋大学内の地震観測の設備や観察をするためのネットワーク、様々な資料の集められた図書館などを見せていただき、大学で地震の観測や研究がどのように行われているかを知ることができました。今回の交流を踏まえ今後も研究を続けていきたいです。本当にありがとうございました。
2年 石原 拓也
今回の名古屋大学訪問で持った感想は、まず、発表会の時に適切なアドバイスや鋭い意見などを頂き、自分たちの行ってきた研究がまだまだ調べられる、奥があるということを知ることができました、特に地震と火山の距離についての指摘が自分にとっての盲点であり、おもしろそうだとも思いました、この点についてもいずれは調べていきたいと思いました。
大学内の設備についても始めて聞いたり見たりしたことがたくさんありました、地震を予知することのできる機械や地下に設置してある地震計など、数々のハイテクな機械に興味を惹かれてばかりでした、いつか地震を事前に予知し回避することができるようになる日が来るのではないかと、今から楽しみに思っています。
今回はお忙しい中で私達の発表を聞いていただきありがとうございました、いただいたアドバイスを無駄にすることなく今後も地震と火山の関連性についての研究を続けていき、より深く調べていきたいです。
1年 森島 健太
僕は今回の地震と火山の関連性についての発表を通して、多くのことを学びました。特に「地震と火山の相関関係を世界規模で見てみては」という先生方の意見から、より広い視野で見ることが大切であるということがわかりました。また、「東北地方の地震が北海道の火山にも影響しているかもしれない」という意見は、今まで考えていなかった観点で、僕の考えを大きく変えるものとなりました。今後はひとつの観点にとらわれ過ぎないことや、細かいことにまで気を配るといったことに気をつけてがんばっていきたいです。今回のような機会は、研究の新しいヒントを手に入れるいい機会なので、今後もこのような場を大切にして研究をしていきたいと思います。
また大学内を見学して、地震を感知できる機械や震度を測る機械などさまざまな設備が整っていて、研究をしていくには最高の環境だと思いました。
最後に、今回の発表会のために時間をさいていただき、ありがとうございました。今回の発表で得たことを今後の部活に活かし、よりよい研究にしていきます。
理数科主任 地学部顧問 林 譲治先生から感想をいただきました。
高等学校から、地学という教科がほぼ消滅状態になって10年近くなり、地学を担当したり地学部を指導したりする教員がずいぶん減少してきております。しかし、一方、紀伊半島沖で想定外の機構による地震発生があったり、浅間山の噴火があったり、温暖化の影響で過去最高の台風上陸があったりと、様々な自然現象が発生している中で、正しい科学的認識に基づき地球を理解する「地学」が高等学校から消えていいのだろうかと、ますます自問と憂慮を抱き、さらに小・中学校においてもその学習内容が大幅に減少されている現状を鑑み忸怩たる思いでみています。
さて、そんな中、各務原高校では希少な地学部が存在し、地震や火山の研究から、天体観測、柱状節理や火砕流のモデル実験、紫外線の定点観測などの様々な研究活動を行ってきています。今回、発表させていただいた「地震と火山の関連性」は、元々は琉球大学の木村先生の仮説などに触発されて、授業や課題研究などで行わせたものを、卒業生が研究としてまとめたものです。発表した生徒は、課題研究で類似したテーマを追求しましたが、先輩が行った研究を夏休みのあの短い時間に良く理解し、発表の形式にしたものと、顧問として彼らの努力をたたえています。
研究発表は何度行ってもなかなか緊張するものです。ましてや、生徒です。彼らは何度もプレゼンと原稿訂正を行い、更に10回近く通し練習を行い本番に望みました。その面でも大変良い機会になったと感謝しております。もっとも、彼らには、口頭発表は残らないから気楽に、とは言っておきましたが。また、研究者の視点は、彼らの感想にある通り新鮮で盲点でありました。乱数発生などはなかなか難しいところがありましたが、今後の研究の方向性の示唆を頂き、本当にありがとうございました。
研究施設や研究室などを20数年ぶりにじっくりと眺めることができ、若い時にもう少し研究を進めればとの思いも浮かびましたが生徒にとっては学問の府の雰囲気を感じ、目標ができたようです。
渡辺先生、こうした機会を設定していただきありがとうございます。藤井先生、ならびに多くの先生方、院生の皆さん、本当につたない発表を聴いていただき、そして教えていただき、感謝申し上げます。最後になりましたが、皆様方のご健勝とご研究の発展、ならびに地震火山・防災研究センターのご発展を祈念致します。ありがとうございました。