Jan 13, 2010
名古屋大学地震火山・防災研究センター
◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
1月12日ハイチの地震(M7.0)
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● 概略・特徴: 1月12日21時53分(UT),ハイチでM7.0の
地震が発生しました.首都ポルトープランス周辺では大統領官邸や国会議事堂
など官公庁やホテル、病院などが倒壊し多くの犠牲者がでているようです.
USGSによる速報震源は次の通りです.
発生時刻 震央 深さ M 10/01/12 21:53 (UT) 18.451°N 72.445°W 10km 7.0
●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動45,SH波9) を用いて
解析しました.
●結果: 結果を図に示します。主な震源パラメータは次の
とおりです.
走向、傾斜、すべり角 = (263,74,31) 地震モーメント Mo = 5.9 x10**19 Nm (Mw = 7.1) 断層面積 S = 30 km x 15 km 破壊継続時間(主破壊) T = 10s 深さ H = 9 km 最大すべり量 Dmax = 3.8 m
●解釈その他:横ずれの地震でした.図2にこの周辺のプレートの動きを示します.
これをみるとちょうど今回の震源付近で横ずれの断層があることがわかります.今回の
地震はこの断層が動いたものと思われます.図3はこの地域で起こった地震の震源域
です.今回のあたりでは1751年,1770年に起きています.今回の震源域はこれらよりは
小さそうです.1750-1770年では次々と連動して地震が起こっているように見えます.
これらの地震がどういう地震でどのくらいの規模であったかはわかりませんが,今回の
活動がこれで収まるのかどうか気になります.
(文責:山中)
図1 すべり分布(コンターは0.5m間隔で1m以上すべったところ).破壊開始点は ★. ●はUSGSによる余震分布.
図2 カリブ海周辺のプレートの動き.★は今回の震央
Dolan, J. F. & D.J. Wald, 1998 より
図3 カリブ海周辺でこれまでに起きた地震分布
Dolan, J. F. & D.J. Wald, 1998 より