NGY地震学ノート No.33

Dec. 23, 2010
Dec. 25, 2010 更新
名古屋大学地震火山・防災研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
12月22日父島近海の地震(M7.4)
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● 概略・特徴: 12月22日02時20分頃(JST),父島近海で M7.4の地震が起こりました.この地震で父島二見で0.3m,神津港で0.1mの 津波を観測したとのことです.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻         震央          深さ      M
 10/10/21 17:19:40  (UT)  26.892°N   143.726°E    14 km    7.4

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動67) を用いて 解析しました.
●結果: 結果をに示します。主な震源パラメータは次の とおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (107,52,-129) 
 地震モーメント  Mo  =  1.84 x10**20 Nm  (Mw = 7.4)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  10 s
 深さ          H =  10 km
 最大すべり量      Dmax = 4.1 m

●解釈その他:海溝より海側で発生した正断層の地震です.伊豆−小笠原海溝に 小笠原海台に衝突している場所に近いところのようです。海台が衝突しているあたりの 断層の走向は図3のような状況だそうです。今回の地震の正確な震央がわからないので この図のどこになるのかわかりませんが、断層の走向はこれらの断層の走向とほぼ 合致します。海山の沈み込みに関係する地震でしょうか?

図2 すべり分布  ●はUSGSによる余震分布

図3(http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/happyo/2008/h20o05.pdfより)

(文責:山中)