Apr. 3, 2011
名古屋大学地震火山・防災研究センター
◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
3月11日東北地方太平洋沖地震(M9.0)
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● 概略・特徴: 3月11日14時46分頃(JST),三陸沖で起こったM9.0の地震, 大きな津波が岩手,宮城,福島,茨城の太平洋側を襲い,現在死者,行方不明者 が2万7千人を超すという想像を絶する被害になってしまいました.未だに多くの 余震が発生しています.またこの地震による福島原発の事故もとても気になります.
●再解析結果: 今回はプレートの形状を多少考慮して断層を取って解析を
しました.その結果を図に示します。Δ>50度の観測点
ではW-phaseと思われる長周期の波が見えます.本解析で使っているグリーン関数
ではW-phaseは表現できません.そのためこれらを合わせようとしてこの影響を
震源に押しつけてしまうという問題があります.図の断層面上のすべり分布の
右下のハッチがついているところがその部分に当たります.そのため今回の結果
では120秒以降について解くことは無理と判断しました.従って右上のすべりが
大きいところは茨城沖になりますが,ここも多少その影響を含んでいるため,
すべり方向がちょっとずれてしまっているのかもしれません.茨城沖については
別の方法で検討する予定です.
●解釈その他:
すべり分布
赤いコンターは今回の地震のすべり分布.緑のコンターは1968年十勝沖,茶色い コンターは1994年三陸はるか沖地震,青いコンターは1978年宮城沖のすべり分布を示す. ただしコンター間隔等はそれぞれ違う. 紫のコンターは2011/3/9に起こった地震のすべり分布.● は本震後の地震活動,●は本震後1日以内 に起きた地震活動,●は本震前の地震活動. ★は今回の余震でM7以上の震央
(文責:山中)