NGY地震学ノート No.40

Mar. 21, 2012
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
3月20日メキシコ地震(M7.4)
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● 概略・特徴: 3月20日18時02分頃(UT),メキシコでM7.4の地震が起こりました.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻         震央          深さ      M
 12/03/20 18:02:48  (UT)  16.662°N   98.188°W     20 km    7.4

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動48) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します。低角逆断層です. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (281,12,72) 
 地震モーメント  Mo  =  1.74 x10**20 Nm  (Mw = 7.4)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  10 s
 深さ          H =  10 km
 最大滑り量       Dmax =  3.3 m

●解釈その他:USGSの震源の深さは20kmですが,もう少し浅そうです. メカニズム解からみると沈み込むプレート境界で起きた地震と考えられます. 破壊は浅い領域に進んでいきました.震源に近い地域ではかなりの家屋が 倒壊したと言われていますが,不思議なことに今のところ多くの犠牲者が 出たという情報はないようです.このまま増えないことを祈ります.

すべり分布

赤いコンターが今回の地震.はUSGSによる余震分布.

(文責:山中)