NGY地震学ノート No.61

Aug. 26, 2016
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
8月24日イタリア中部の地震(M6.2)
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● 概略・特徴: 8月24日1時36分頃(UTC),イタリアでMw6.2の地震が起こりました.この地震で250名以上の方が亡くなったようです。


USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻        震央          深さ    M
 16/08/24 01:36:33  (UTC)  42.714°N  13.172°E   11.5 km  6.2

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動72) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (165,49,-78)
 地震モーメント  Mo  =  2.1 x10**18 Nm  (Mw = 6.1)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  7 s
 深さ          H  =  4 km

●解釈その他:正断層型の浅い地震です。波形のあい具合からみても 震源の深さは10kmよりずっと浅いことがわかります。規模は小さいですが, 直下の浅い地震で,破壊が浅い方に進展したこと,建物が古く耐震性が なかったことなどが被害を大きくしているようです。 テレビの映像に出てくるアマトリーチェでは街が壊滅的な被害を受けています。 このほか複数の村で多くの建物が倒壊しているということです。建物の多くが 100年以上前に立てられた歴史的建造物ということ です。避暑に訪れた観光客もいるとのこと,被害の全貌がわかるにはまだ時間がかかる のかもしれません。

(文責:山中)