NGY地震学ノート No.64

Nov. 27, 2016
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
11月22日福島県沖の地震(M7.4)
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● 概略・特徴: 11月22日05時59分頃(JST),福島県沖でM7.4の地震が起こりました.この地震で仙台港に1.4mの津波が来るなど東北から八丈島にかけての太平洋側で津波 が観測されています。


気象庁による速報震源は次の通りです.

    発生時刻        震央        深さ   M
 16/11/22 05:59:46  (JST)  37.35°N  141.60°E   24 km  7.4

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動72) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (225,57,-99)
 地震モーメント  Mo  =  4.2 x10**19 Nm  (Mw = 7.0)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  15 s
 深さ          H  =  10 km

●解釈その他:上盤側で起きた正断層の地震です。断層の方向が一般的に 東北地方の太平洋側のプレート境界で起きる地震(日本海溝が南北にあるので 一般に断層の方向は南北)とは違って,北東−南西方向を向いています. 津波は断層の方向に直角な方向に大きな波を出しますが,今回の断層の方向 だとちょうど仙台方向になります.今回,仙台での津波の波高が高くなった 理由の一つでもあると思います.

は本震の震央、●は気象庁による余震分布

(文責:山中)