NGY地震学ノート No.69

Oct. 01, 2018
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析◆ --------------------------------------
9月28日インドネシアスラウェシ島の地震(M7.5)
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● 概略・特徴: 9月28日10時2分頃(UT),インドネシアスラウェシ島でM7.5の地震が発生しました.この地震の後,津波が発生し832名(09/30 19時時点) の方が亡なったとのことです。情報によると多くの住民が倒壊した建物の下敷きになっているそうです.また,震源に近いドンガラの被害状況が通信遮断のため把握できていないとのこと.犠牲者はさらに増えるようです.


USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻        震央        深さ   M
 18/09/28 10:02:43  (UT)  0.178°S  119.840°E   10 km  7.5

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (348,68,-16)
 地震モーメント  Mo  =  2.0 x10**20 Nm  (Mw = 7.5)
 深さ       H  =  10 km

●解釈その他:
津波被害が出ているのでプレート境界の地震かと思いましたが,USGSによる震源は海底ではないようです.メカニズムも横ずれで,海底で発生したとしても津波を起こしにくいメカニズムです.ニュースによると地元でも地震後30分間,海面の水位に大きな変化がなく,1時間以内に津波警報を解除していたようです.今回の津波は地震そのものによるものではなさそうです.

(文責:山中)