名古屋大学では,断層トラップ波の検出を目的として,
新潟県広神村の小平尾(おびろう)断層周辺で25カ所に
地震計を設置し,観測を開始しました(2004.10.29).
1) 観測点の設置場所
10月24日-10月26日の先発隊(伊藤、山田守)によって設置された地震計5台と
10月26日-10月29日の後発隊(山崎、生田、高橋、藤枝、堀、川元)によって設置された地震計20台の計25台を設置いたしました。
観測点配置図はこのようになっております。
赤い○が先発隊によって置かれた観測点
青い○が後発隊によって置かれた観測点を示しています。
緑の破線は都市圏活断層図に示されている活断層を示しています。
2)観測の目的
・新潟中越地震の余震によって得られるトラップ波の検出。
・断層近傍での地震観測により断層破砕帯の物理特性を明らかにする。
こうした観測を通して、断層の物理特性と破砕帯の特性を明らかにすることにより、地震発生のメカニズムの解明につなげたいと考えています。
3)観測結果
地震計アレイ観測によって得られた余震の一例を示します。
最上段からUD,NS,EW成分,
下2段はNS,EW成分のバンドパス(2-4Hz)フィルターを
かけた順に並んでいます。時間軸の1コマは1秒にしてあります。
04/10/26 16:36に得られた波形で比較的近傍で発生した余震を捕らえた事例。
04/10/26 18:50に得られた波形で比較的遠地で発生した余震を捕らえた事例。
4)今後の計画
今後観測を11月下旬まで継続する予定です。
報告者:山崎文人