第3回施設懇談会は2019年11月19日に木曽町役場で行いました。
研究施設からは、前回の懇談会以降の活動として、小学生を対象としたマグマや水蒸気爆発などの実験を中心とした勉強会や、地域安全学会や低空空撮技術活用研究会など、研究者の集まる場の誘致などについて報告しました。9月に行われた信濃毎日新聞社主催の「しんまい火山の学校」では県内各所から小学生が参加し、御嶽山火山マイスターが認定する「ジュニア火山マイスター」の登録者が木曽郡以外へも広がるきっかけとなった勉強会となりました。
長野地方気象台様からは、御嶽山の活動状況について、活発な噴気活動が確認されていた噴気孔の一つに明瞭な噴気の勢いや温度の低下が確認され、注意が必要な範囲を変更した事、今シーズンも緊急の連絡を行う様な事象が起きなかった事など報告いただきました。
王滝村様、木曽町様からは来年度以降の安全対策や、御嶽山に関わる事業の進捗などの報告を、御嶽山火山マイスターネットワーク様からは、火山マイスターの先進事例である洞爺湖有珠火山マイスターとの交流や視察を通じ、御嶽山で足りないものを率直にご意見いただくとともに、アウトドアブランドや交通事業者とタイアップした新たな事業展開などを画策している事等、興味深い報告もありました。
名古屋大学からは、山頂部に設置された地震計やGNSSなどの観測機器の運用状況や、来年度開催されるGPS大学連合や火山学会の予定など情報提供と共有をさせていただきました。これからも、研究機関や行政機関、民間団体とのInfomation HUB(情報拠点)となりうる御嶽山火山研究施設になれればと思います。
第2回施設懇談会は2018年12月3日に名古屋大学で行いました。 出席いただいた多治見砂防国道事務所様からは、平成32年度までとそれ以降の御嶽山火山噴火緊急減災対策ロードマップのお話を、長野県木曽建設事務所様からは噴火に起因する土石流等を制御するための緊急対策資材の備蓄や雨量計など新たな観測機器設置についての事業についてお話しいただきました。
そして、国有地であり長野県立自然公園でもある御嶽山での観測に必要不可欠な届出や許認可の流れなどについて、長野県担当者の方の説明資料や、今回出席できなかった木曽森林管理署様からお預かりした意見など出席者全員で共有できました。これは、火山観測だけではなく御嶽山において各自治体が事業を進める上でも大変重要な共通認識でもあるので、今回参加者全員で共有できたことは大変有意義な懇談会になったのではないかと感じています。併せて、木曽町、王滝村で行った安全対策やこれからの事業計画の確認や、山岡教授による火山噴火予知連資料の読み解きなども行いまし た。
今回は、2018年度から本格的に活動を始めた「御嶽山火山マイスターネットワーク」から4名のマイスターにも参加いただき、これまでの活動、火山防災の啓発と御嶽山地域の魅力発信についての発表もありました。今年度、マイスターの皆さんには御嶽山の観測にも同行、お手伝いいただきました。今後も気軽に声をかけ合いながら、これからの活動に役立てていただければと感じています。
第1回施設懇談会は、2018年5月16日に木曽町文化交流センターで開催されました。御嶽山火山研究施設の2017年7月2日の開所からこれまでの活動が、國友特任准教授によって報告されました。また、名古屋大学の研究トピックスとして、御嶽地域でのGNSS観測による成果が、伊藤武男准教授によって紹介されました。長野県担当者からは、出前授業等、子供たちに御嶽山や火山の知識を伝える機会を増やしてほしいという要望を承りました。