火山超雑学クイズ

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出題クイズ

Q82
中山道の最高地点である和田峠は、ある火山岩の産地として有名です。その火山岩とはなんでしょう?
出題者(國友孝洋)

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A82
黒曜石(こくようせき)です。

解説

 和田峠は、長野県の長和町と下諏訪町の間にあります。中山道の最高地点(1600m)で、碓氷峠と並んで中山道最大の難所と呼ばれた峠です。この近辺は、黒曜石の産地としても有名です。黒曜石は、流紋岩とほぼ同じ化学組成のガラス質の岩石です。流紋岩質のマグマが急冷して出来ると考えられています。

 和田峠・霧ケ峰周辺は、本州最大の黒曜石原産地といわれています。 黒曜石は、打ち割ることによって、容易に鋭い刃をもつカケラを得ることができます。さらにそのカケラに、細かな打ち割りによる細工を加 えることで、さまざまな形に変形することが可能です。 このような特性から、黒曜石は、石器時代の道具の原料 として盛んに用いられてきました。

 そして、 この黒曜石は、原産地周辺のみならず、本州中央部の広い範囲において、石器の材料として盛んに使用されていたことが知 られています。和田峠・霧ケ峰周辺では、山麓部を中心に、黒曜石を利用 した石器製作を集中的に行なったと考 えられる遺跡や、黒曜石の原石を多量に保有している遺跡が多数発見されており、原産地と消費地をつなぐ「中継基地」 となっていたと考えられています。


参考文献

長野県のホームページ(「まるごと信州 黒曜石ガイドブック」)

https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/bunsho/kassei/documents/new.pdf

下諏訪町教育委員会(2001)長野県下諏訪町 黒曜石原産地遺跡分布調査報告書-和田峠・霧ヶ峰-, 110pp.



和田峠(2020年8月14日 國友撮影)
中山道の最高所、和田峠です。看板には「古峠(ふるとうげ)」と書かれていました。明治9年に新道が開通し、旧中山道を通る人がほとんどいなくなったため、この名前が残ったということです。


和田峠付近で採れた黒曜石(2020年8月14日 入手)
石器の原料としての質は良く分かりませんが、縞模様やインクルージョン(結晶や岩片などが取り込まれたもの)があって造形が面白いので選びました。