回答はこちらをクリック
和田峠は、長野県の長和町と下諏訪町の間にあります。中山道の最高地点(1600m)で、碓氷峠と並んで中山道最大の難所と呼ばれた峠です。この近辺は、黒曜石の産地としても有名です。黒曜石は、流紋岩とほぼ同じ化学組成のガラス質の岩石です。流紋岩質のマグマが急冷して出来ると考えられています。
和田峠・霧ケ峰周辺は、本州最大の黒曜石原産地といわれています。 黒曜石は、打ち割ることによって、容易に鋭い刃をもつカケラを得ることができます。さらにそのカケラに、細かな打ち割りによる細工を加 えることで、さまざまな形に変形することが可能です。 このような特性から、黒曜石は、石器時代の道具の原料 として盛んに用いられてきました。
そして、 この黒曜石は、原産地周辺のみならず、本州中央部の広い範囲において、石器の材料として盛んに使用されていたことが知 られています。和田峠・霧ケ峰周辺では、山麓部を中心に、黒曜石を利用 した石器製作を集中的に行なったと考 えられる遺跡や、黒曜石の原石を多量に保有している遺跡が多数発見されており、原産地と消費地をつなぐ「中継基地」 となっていたと考えられています。
長野県のホームページ(「まるごと信州 黒曜石ガイドブック」)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/bunsho/kassei/documents/new.pdf
下諏訪町教育委員会(2001)長野県下諏訪町 黒曜石原産地遺跡分布調査報告書-和田峠・霧ヶ峰-, 110pp.