火山超雑学クイズ
出題クイズ
- Q23
- 気象庁が噴火警戒レベルの運用を開始してから初めて「噴火警戒レベル5」が適用された日本の活火山は、どこでしょうか?
出題者(國友孝洋)
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- A23
- 口永良部島です。
解説
噴火警戒レベル5は、火山活動の状況が「居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態にある」場合で、住民等の行動として「危険な居住地からの避難等が必要」とされています。 最近40有余年間の火山噴火による住民避難としては、口永良部島(2015年)、三宅島(2000年、1983年)、有珠山(2000年、1977年)、雲仙岳(1991年)、十勝岳(1988年)、伊豆大島(1986年)が挙げられます。噴火警戒レベルの運用が開始されたのは2007年12月1日ですから、初めて噴火警戒レベル5が適用されたのは、口永良部島の2015年噴火となります。口永良部島は、鹿児島県の屋久島の近く北西側にある火山島です。2015年5月29日に爆発的噴火で火砕流も発生し、噴火警戒レベル5の噴火警報が出されました。全島避難指示が出され、やけどなど負傷された方はおられるものの、住民の方全員が無事に避難されました。
さて、噴火警戒レベルは、噴火の影響範囲や対処すべき行動について区分されており、1「活火山であることに留意」(御嶽山の2014年噴火以前は「平常」)から5「避難」までの5段階となっています。レベル0やレベル6がないのは何故でしょうか。資料が見当たらないため、以下は出題者の個人的な見解です。活火山は、いつでも、あるいは、いつかは噴火する可能性のある火山です。活火山と認定された以上、噴火警戒レベル0(安全ないし無警戒)はないと考えるべきと思います。あえてレベル0を設定して、レベル1は安全を意味しないことをアピールするのは良いかもしれません。また、これまで、レベル5に相当する噴火では、活火山周辺の市町村レベルで避難が行われました。レベル6相当を考えるとすれば、県や道州(九州、四国、本州、北海道)あるいは国家レベルで避難しなけらばならないような噴火が発生した場合ではないでしょうか。カルデラを形成するような巨大噴火が発生した場合が考えられます。避難が上手く行くかどうかすら分かりませんが、国土の相当広い範囲が、噴火警戒レベル6(移住、移民)の規制区域となりそうです。想像だにしたくない事態です。
参考文献
NHKホームページ(そなえる防災コラム 石原和弘京都大学名誉教授)
https://www.nhk.or.jp/sonae/column/20150820.html
気象庁ホームページ(噴火警戒レベルの説明)
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/level_toha/level_toha.html
気象庁ホームページ(口永良部島5へ引き上げ)
http://www.jma.go.jp/jma/press/1505/29a/kuchinoerabu150529.html
内閣府ホームページ(防災情報のページ、口永良部島の噴火情報等について)
http://www.bousai.go.jp/updates/h270529kazan/