火山超雑学クイズ
出題クイズ
- Q37
- ハワイ、キラウエア火山の山頂から2方向に伸びる地下のマグマの通り道を何と呼んでいるでしょうか?
出題者(山岡耕春)
回答はこちらをクリック
- A37
- イーストリフトゾーン(East Rift Zone)およびサウスウェストリフトゾーン(Southwest Rift Zone)です。
解説
ハワイのキラウエア火山は、山頂のハレマウマウの火口の真下からマグマが上昇してくると考えられています。マグマの動きを表す低周波地震もハレマウマウ火口の地下深部で多く観測されることも証拠の一つです。山頂に向かって上昇したマグマは、2つのリフトゾーンの地下にある割れ目を通じて、あるいはリフトゾーンに沿って割れ目を作りながら横方向に移動していきます。新たに割れ目を形成する際には地殻に力を加え、規模の大きな地震を引き起こすことがあります。1975年のカラパナの地震(M7.2)はそのような地震で、この地震に伴ってイーストリフトゾーンの南側の地面が約5mも押し出されました。このようにして形成された地下の通路を通ってマグマが流れ下り、ついには地表に噴出します。1983年から2018年まではPuuOoという火口から噴出しました。2018年の5月から8月にかけては、さらに下流の地域から大量のマグマを噴出しました。噴火は2018年8月4日に停止し、その後2019年9月現在までキラウエア火山の噴火は停止した状況が続いています。なおリフトゾーンのリフトとは持ち上がる(lift)という意味ではなく、割れる(rift)という意味です。RとLの違いに注意しましょう。
参考文献
Tilling , Heliker and Swanson : Eruptions of Hawaiian Volcanoes – Past, Present, and Future. U. S. Geological Survey General Information Product 117.
Ma K-F, Kanamori H, Satake K (1999) Mechanism of the 1975 Kalapana, Hawaii, earthquake inferred from tsunami data. J. Geophysical Research, vol. 104, 13153-13168, doi.org/10.1029/1999JB900073.