火山超雑学クイズ

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出題クイズ

Q49
御嶽山を登山した際に目撃した神がかり儀式から憑霊や神道に興味をもち「オカルト・ジャパン」という本を書いた天文学者はどなたでしょう?
出題者(國友孝洋)

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A49
パーシヴァル・ローエル(Percival Lowell)です。

解説

 ローエルはアメリカの天文学者で、私財を投じてローエル天文台を建設し、火星の研究や軌道計算により海王星の外に惑星があることを予測したことで有名です。火星の研究では、火星全体を運河が縦横に覆っている詳細な火星マップを公表し、火星人の存在を唱えました(その後、運河・火星人ともに否定されていますが、SF小説や映画などに多大な影響を及ぼしました)。また、海王星の外側の惑星は、ローエル天文台のクライド・トンボ―(Clyde W. Tombaugh)が発見し、冥王星と命名されました(ローエルの頭文字であるPLを意識してPluto<冥王星>と命名したと言われています。なお、2006年の国際天文学連合の総会で惑星の定義が新たに定められ、冥王星は惑星ではなく準惑星に分類されました)。

 「オカルト・ジャパン Occult Japan or the way of the Gods, 1895年」は、木曽御嶽山に登山した際に、御嶽頂上で出会った三人の行者による憑霊(御座・おざ)を目撃して大変驚き、神道の研究を行って東洋の神秘を解き明かそうとした著作です。御嶽山の紹介では、「御嶽山は死火山ではなく、休眠しているだけである。それは、御嶽山の西側の壁からは細くて長い水蒸気が立ち上がり、今も眠りについているかのように微かに息をし、火山は昏睡状態にあるからである」と記述しています。

 お騒がせ学者の印象が強いローエルですが(私見です)、御嶽火山については当時としては適切な説明がなされており安心しました。


参考文献

菅原壽清訳・解説、パーシヴァル・ローエル著「オカルト・ジャパン 外国人のみた明治の御嶽行者と憑依文化」、岩田書院、388p、2013年。