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研究速報
地震火山速報
地震火山研究センターの研究
日本列島域の地殻活動シミュレーション
プレート間相互作用に起因する変動現象の物理モデリングとそれに基づく大規模数値シミュレーションによって、大地震発生などの多様な地殻活動現象の統一的理解を目指します。
地殻活動シミュレーション・システムの構築とそれに基づく予測可能性の追求には、シミュレーション・システムの高度化と共に、多様な観測・データ解析を通した地殻活動モニタリングによる情報をシミュレーションに取り込むことが重要となります。
このようなシミュレーションとモニタリングを統合したアプローチによる試行・検証を実現するための研究を進めています。
地震・地殻変動の観測研究
地震火山研究センターでは、東海エリアに地震観測点・地殻変動観測点を展開し、常時観測を行っています。特に御嶽山は、1979年の水蒸気噴火以降も1991年、2007年と小規模な噴火をしています。また、御嶽山の南東から東側にかけて1976年から始まった群発地震は、1984年長野県西部地震以降も震源域を徐々に北東に広げつつ活動が継続しているため、集中的に観測を行っています。
そのほか低周波微動の解明のための地震アレイ観測や、全国の大学と共同で災害地震発生メカニズム解明のための余震観測なども行っています。
海底活断層・陸域活断層の研究
大規模な地震が発生すると地表や海底に断層が現れます。断層が現れた痕跡は地形として残ります。
線状の「崖」だけでなく、広い範囲を「撓ませ」たり「隆起」させたりします。こうした変動地形は、日本列島およびその周辺の海底の至るところにあり、地下の震源断層の存在を推定する大きなヒントになっています。南海トラフ沿いの海底は日本海溝沿いよりはるかに複雑で、その原因を解明することをめざしています。
東海地域に展開するACROSSシステム
ACROSS(アクロス)は地下に向けて常時安定した地震波を送り、戻ってきた信号を地震計で捉えて地下構造の時間変化を捉えるためのシステムで、名古屋大学が世界に先駆けて開発した装置です。現在は静岡大学、気象研究所、鹿児島大学などと協力しながら地震発生場や火山の常時監視のための研究開発を進めています。
巨大地震が発生する場所でありながら、普段からスロースリップが発生している東海地域では、3カ所にACROSSを設置してプレートの固着変化を捉えるための研究を進めています。
海底地殻変動観測 〜南海トラフのひずみを直接的に測定〜
南海トラフの巨大地震や東北地方太平洋沖地震は、海域に位置するプレート境界の発生します。海底地殻変動観測結果は、このような海で発生する地震の研究や津波想定などに欠かせないデータのひとつです。
地震火山研究センターでは、10年以上前から装置の開発を手がけ、今ではその装置の開発を手がけ、今ではその装置を熊野灘や駿河湾などに設置し、船で現場海域に行って、南海トラフ付近のプレートの動きに伴う海底地殻変動の直接的な測定を継続して行うことができるようになっています。熊野灘での観測結果からは、次の地震に向けたひずみが蓄積され続けている様子がわかってきました。