猿橋

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猿橋

 猿橋渓谷は、木曽町の隠れた観光スポットです。御嶽山の東の麓をほぼ南北に流れる西野川は、木曽温泉のすぐ下では、渓谷となっており、紅葉の時期の写真撮影・スケッチポイントです。現在は、猿橋が老朽化のために通行止めになっており、訪れる方は少ないようです。

 ここでは、見事な層状チャートの地層を見ることができます。層状に見えるのは、シリカ(SiO2)の多いチャート層の間に泥や粘土の多い薄い層が挟まっているためです。チャートは、数㎝の厚さになるのに数千年から数万年の年月を必要とするそうです。見える範囲のチャート層が積もるのにいったいどれだけの年月がかかったのでしょうか。およそ2億年前頃に深海底で堆積したチャートが、今、標高1000mの大地に露出しています。悠久なる時の流れに、そして、地球(あるいはプレート)の想像を絶する力に、驚嘆せざるを得ません。チャートに関しては、九蔵峠の説明もご覧ください。(國友孝洋)

※(参考)
小出良幸(2015)層状チャートに記録されている時間について, 札幌学院大学人分学会紀要, 97, 43-73.
小出良幸(2016)深海底堆積物と層状チャートの成因について, 札幌学院大学人分学会紀要, 99, 17-39.

猿橋渓谷

 猿橋からは西野川の渓谷を眺めることができます。木曽町にこんな渓谷があったんですね。特に紅葉の時期はきれいです。

猿橋

 猿橋は老朽化のため、現在は、自動車通行止めです。人は通れますが、欄干にもたれたりして落ちないようにお気を付けください。

層状チャート

 ジュラ紀付加体の層状チャートです。猿橋の下に拡がっています。九蔵峠の層状チャートほど褶曲しておらず、きれいに積み重なっているのが分かります。下りて観察するのは難しいので双眼鏡などでお楽しみください。