三ノ池は、水深約13mの火口湖で、いつも水を湛えた美しい湖です。御嶽山2014年噴火の影響もほとんどなく、その景観は、噴火直後からも御嶽登山の楽しみの一つとなっています。
三ノ池火山は、大量の溶岩流を流した噴火としては一番最近の火山活動によって誕生しました。溶岩流は、開田末川の方向に5kmに渡って流下しました。溶岩流の跡は、地形からはっきりと追跡することができます。かつて、三ノ池溶岩は2万年前頃のマグマ噴火によるものと推定され、それ以降の御嶽山は水蒸気噴火を何回か起こす程度の静穏期にあると考えられてきました。しかし、最近の研究では、三ノ池溶岩を流した火山活動は、9千年前頃の比較的新しい噴火であったことが分かってきました。御嶽山では、三ノ池火山の活動後も、2~3回のマグマ噴火と10数回の水蒸気噴火が発生したと推定されています。(國友孝洋)
※(参考)
串田ほか(1998)御嶽山, 日本の名山11, 博品社, 252p.
及川ほか(2014)御嶽山の噴火-その歴史と2014年噴火, 岩波科学12月号, 1218-1225.
三ノ池
三の池は、御嶽山で最も湖らしい火口湖です。標高2720m、水深は約13mで、いつも水を湛えた美しい姿を見ることができます。
コバルトブルーの湖
サイノ河原避難小屋(白竜避難小屋)の近くから見下ろした三ノ池です。コバルトブルーの湖面が鮮やかです。
三ノ池溶岩の地形
二ノ池東から見た三ノ池溶岩の地形です。三ノ池から流れ出た溶岩流が台地のように盛り上がっています。溶岩堤防、溶岩じわなど、溶岩流地形を観察することができます。