崖家づくり

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崖家づくり-木曽川沿いの崖の上に建つ不思議な家並み

 御嶽登拝の起点である行人(ぎょうにん)橋歩道橋から、木曽川にせり出すように建てられた家並みを見ることができます。崖家づくりです。その不思議な家並みはスタジオジブリの映画の中の風景に例えられることもあり、木曽町の観光スポットの一つとなっています。崖家づくりを見て、まず思うのは、地震が来たら大丈夫なんだろうかということではないでしょうか。崖家づくりが建てられたのは、1900年代初頭。道路の整備の際、道路と木曽川の間の狭い土地を利用するために木曽川にせり出すように家々が建てられました。1927年の大火で、ほとんど建て替えられたとはいえ、100年以上続いていることになります。なお、現在の建築基準法を満たしていないため、修理は出来ても、建て替えることはできないそうです。

 行人橋歩道橋のたもとから木曽川のほとりに下りてみると、河床には砂岩や泥岩から成る美濃帯の岩盤が露出しています。美濃帯とは中生代の付加体で、大洋底の堆積物がプレートにのって移動、日本列島に付加した地層です(御嶽のみどころ②④参照)。崖家造りの土台は、コンクリートや石垣で補強されている部分もありますが、岩盤が露出している箇所は、固い砂岩層でした。御嶽山の北東側の土台である美濃帯は、木曽町や崖家づくりの土台でもあるのですね。(國友孝洋)

※(参考)
信州大学経法学部武者ゼミ(2017)木曽の「崖家づくり」研究.株式会社まちづくり木曽福島, 17p.

崖家づくり

 行人橋歩道橋の上から見た崖家づくりの家並みです。道路側から見ると二階建ての家々が、川側から見ると三階建てになっています。行人橋歩道橋のたもとには足湯もあります。合わせてお楽しみください。

崖家づくりの土台

 崖家づくりの土台は、固い砂岩や泥岩などからなる岩盤です。一見危なっかしく見える崖家もこうした岩盤に支えられているからこそ耐えてこられたのかもしれませんね。奥に見える橋が、行人橋歩道橋です。

木曽川沿いの美濃帯

 崖家づくりの下を流れる木曽川の河床は、美濃帯(中生代の付加体)の地層を構成する砂岩や泥岩からなっています。砂岩の地層が寸断され、泥岩の中に浮いているような様を見ると、どんなことが起こったのかと想像力が掻き立てられます。写真中央のカメラレンズのキャップの直径は約5cmです。